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世界のアンチエイジング医療

不老不死は古代から続く人間の願望の一つ

“不老不死”は古代から権力者の願望であり様々な試みが行われてきた。始皇帝、楊貴妃、クレオパトラから近代に入ると各国元首、ハリウッドセレブまで。自分の今の地位を維持し続けたいと思う人たちがそれだ。
そんな特別な人たちだけに用いられてきた薬剤や方法が少しずつ世に出回るようになり、現代社会においてアンチエイジング医療は一般の人たち、私たちにも浸透しつつある。

アンチエイジング医療元年は、1990年

現代の医学では不老長寿は無理であるものの,アンチエイジング医療により寿命がくるまで、大げさに言えば細胞が働かなくなるまで元気で長生きできる事が可能になってきている。
近代のアンチエイジング医療がスタートしたのは1990年といわれている。イギリスの有名な医学雑誌に掲載された“ホルモン治療により61歳から81歳のお年寄りが全員若返った”という論文で世界中が驚愕したことに始まる。この論文では、本来であれば小人症の子供に使用する成長ホルモンを老人に投与したところ,全員に肌が若返り,骨が強くなり,筋肉がついて,夜の生活も可能もしくはそう言った気分が生じるようになったというのだ。
医学的に言えば、有効率100%、こんなものは世の中にはあり得ない。よく効くと言われる薬剤でさえ、その効果が100%であることはまずない。それがこの論文では100%の結果が出たことで、アンチエイジング医療の有効性が注目されることになり、いち早くアメリカでアンチエイジングの学会がスタート。世界中が本格的にアンチエイジング医療に取り組み始めた。

海外のアンチエイジングはヨーロッパ系とアメリカ系に分かれる

海外のアンチエイジングの特徴を大きく分けると、ヨーロッパは外見の若返りを重視するのに対して、アメリカのアンチエイジングは体の中の若返り,つまりは内科的若返りを重視している。
ヨーロッパでは外見的なアンチエイジングでシワを取ったり、シミを取ったりする機械が豊富にある。その機械の中にはイスラエルなどで軍事目的に開発されたレーザーなどを応用した機械などもあり、医療の発展に大いに役立っている。その反面、ハーブなどを用いたフィトセラピーなどの民間療法もさかんに行われている。
一方のアメリカでは,内科的なアンチエイジングが主流。「どのような食事をするか」からスタートし上級編になると栄養療法による点滴注射や体内毒素排泄のキレーション治療を行っている。

私が体験習得したアメリカのアンチエイジング

そもそも私がアンチエイジングと出会ったのはそれまで脳外科医として勤務していた時に現在の医療に疑問を抱いていたからだ。例えば血管が詰まると血液が巡らずに細胞が生きていけない。心臓の血管が詰まると心筋梗塞、脳の血管が詰まると脳梗塞である。私が脳外科医として勤務していた当時に、この詰まった血管を溶かすtPAと言う薬があった。この薬を使えば血管の詰まりが治るのだが、どういう訳か心筋梗塞には保険が効いて脳梗塞には保険が効かない。詰まった場所の違いだけであり、この薬を使えばどこの血管の詰まりにも有効であるにもかかわらずだ。医学的な問題でなく、保健上の問題で治るはずの患者さんが治らない医療に当時から疑問をもっていた、そこで出会ったのがアメリカのアンチエイジング前会長のマイケルジャンソン先生である。

私が求めていたのは“これだ!”と直感し、彼からアンチエイジング医学を学び始めたのである。その中で最も効果的な治療の一つがキレーション治療と言うものである。キレートとは“掴む”と言うギリシャ語である。キレーション治療は薬剤が悪いものを掴んで体外に排泄してくれるのである。使う薬剤により有害金属を掴んだり、老廃物を掴んで血管を柔らかくもしてくれる。心臓の血管(冠動脈)の手術予定の患者さんが、「この点滴だけで心臓バイパス手術が無くなった」と言う話はアメリカでは良くある話である。

ただし、効果が高い反面副作用もあり、昨年はアメリカで死亡例も出ている。それで米国ではこのキレーション治療の認定医制度を作っている。この資格を有している医師で行うキレーション治療に関しては安全であるので、狭心症・心筋梗塞の方、100mも歩くと一度休まないと再度歩けない様な方、指先の痺れ、冷え性の方には有効であるので検討してみるのも価値がある。

栄養療法と言う治療法もある。私は、昨年日本人としては最初の“米国栄養療法認定医”試験に合格した。一般の病院では行わないような血液解析を行い、足りない栄養素を十分な量(通常の摂取量の10倍〜100倍)を与えることで、怠さ・倦怠感・不眠等の不定愁訴を治していく。この様にアメリカのアンチエイジング医療は現代の西洋医学とは違ったアプローチで若返りを実現していく。

伊藤壱裕(いとうかずひろ)プロフィール

銀座オクトクリニック院長。医学博士。
琉球大学医学部医学学科卒業後、米国アーカンソー州立大学医学部でアシスタント・プロフェッサーとして4年間勤務。
帰国後、琉球大学医学部付属病院脳外科でチーフレジデントとして務め、救命救急医としてヘリコプター出動も行う。数多くの不幸な最期と遭遇した経験から、病気にならないための治療が必要と感じ、抗加齢医学の世界へ。
米国先端医療学会キレーション治療認定医・米国抗加齢医学会認定医・米国栄養療法認定医など、3つの米国資格を持つ。

著書に「不老上手」(メタ・ブレーン出版刊),「8歳美しいカラダになる」(PHP出版刊)

銀座オクトクリニック http://www.ginzaoct.com/index.html

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